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個から宇宙へ。ルーマニア/ドイツ trip to Romania & Germany

  • 執筆者の写真: Mie Ogura-Ourkouzounov
    Mie Ogura-Ourkouzounov
  • 2019年8月19日
  • 読了時間: 7分

We arrived at Targu Mureş in Romania to play at the festival harmonica cordis!

パリからミュンヘン、ミュンヘンからルーマニアのクルージュ・ナポカ空港から車で二時間、遠っ!ついに目的地トゥルグ・ムレシュに到着。

ここは作曲家ジョルジ・リゲティが生まれたトランシルヴァニア地方と言って、第一次世界大戦まではハンガリー領だったというところで、住民の80%がハンガリー人らしい。

表記もルーマニア語とハンガリー語の両方。住民はどっちも喋る。

Beautiful Târgu Mureş in Romania, Transilvania

エネスコ通り

George Enesco street

バルトーク通り

Bêla Bartok street

ということで、私の知っているルーマニアよりは、かなり落ち着いた?!ヨーロッパ寄りの印象。オーストリアとハンガリーは長年同国だったのだから、西欧的雰囲気が流れ込んでいても不思議はない。トルコと半世紀同国だったブルガリアとは随分雰囲気が違う。しかしここにもジプシーが街を闊歩中!でもあれ、カラフルな民族衣装&長い髪にぐるぐるとリボン飾り!めっちゃかっこいいんですが、、、ブルガリアのジプシーさんはもっと普通の格好だったし、それによく見ると、ここのジプシーさんは色が白い!それに、普通にマックで食べたり、レジャーに行ったりしている!ブルガリアではまずジプシーがブルガリア人と同一行動しているのを見かけないのだが?アタ曰く「ここのジプシーはブルガリアのジプシーとは違う系統だよ。どこから来たのか知らんけど。ブルガリアのジプシーは完璧なインド系の顔だろう?二派間で抗争も起こるらしいね、よう知らんけど」なんや、よう知らんのか。。。私はジプシーにとても興味があって惹かれるので、誰かジプシーに詳しい方教えてください。

しかし宿泊場所に連れて来られた私達は驚いた。なんと広いテラスから見渡す限りはプールだらけで、アミューズメントパークのようなそこは、朝5時までめっちゃくちゃうるさいどんちゃん騒ぎ音楽が鳴り止まない!これじゃあ一睡も出来ませんがな!翌日優しきオーガナイザー、イシュテバンさんに頼んで街中の古風なペンションに変えてもらいましたが、「いやー、皆さんあそこがほんとに好きなんですよ、、、楽しんでもらえると思ったもので、、」とちょっと悲しそう。さっすが、やっぱりバルカン唯一のラテン国家!ここはやはりルーマニアだあー!!

次の日からのペンション。おー、またまた昭和な外観。

in a small hotel in Targu Mureş

娘もバルカン諸国ではいつもベビーシッターなんて必要なし!ブルガリアやルーマニア巡りでいつも会うお馴染みの生徒さんたちが、代わる代わる遊んでくれるんですね。楽しいー!娘もこんな感じでお利口さんにコンサートを聴いています。

While a concert... thank you Isteban for all this nice experience !小さいのに何故かエネルギーに溢れたこの街を堪能し、あの激うるさいプールにも毎日通って毎晩コンサートも聴き、(子供がだいぶ大きくなってきたので、こういうことも出来るようになってきた!)名残惜しみながら次の目的地、ニュルンベルクに近いドイツのヘルスブルッフへ向け出発!

はい、着きました。第一印象。。。静か!どんちゃん騒ぎのルーマニアから来たら当たり前か。

Arrive to Hersbruck in Germany

ルーマニアでタクシーで町からプールまで行くのに10レイで、ドイツでは同距離で丁度10ユーロだったので、単純に計算すると物価は約5倍。ドイツはいつも、経済的に非常に上手くいって充実している国、歴史的認識に基づく合理的な教育をが浸透していて、そして芸術への理解が手厚い国、という印象を受ける。お金を芸術に回すことを厭わない、それが国力になることを理解している。現在のパリのように芸術家を軽く扱わない、音楽家にケチらない。などと思うのは、ここに住んでいないから良いところだけ見えているのだろうか。

ホテルのロビーの冷蔵庫を開けると、、、

Many beers 😂ビール取り放題。酒屋状態ですがな!ドイツのアマチュア層はとても厚く、たくさんのアマチュア達がフェスに参加し、アーチスト達と一週間生活を共にし、コンサートを毎夜聴きにくる。

400 places full audience in the concert hall at Festival Hersbruck in Germany!

私達デュオのコンサートでは、400人の聴衆が満員で、フェス最高のコンサートだったと、聴衆みんなが熱狂してくれ、最高の賛辞を頂いた。こんなに嬉しいことはない!ドイツ最大というジャズ・フェスティバル出演の依頼をいただき、次はギターフェスとはまた一味違った場所に行けるぞー!楽しみっ!!

A dessin from our duo concert  コンサート中に描いていただいたデッサン。

また、このフェスで一番楽しみにしていたのが、セルジオ&オダイールのアサド兄弟との再会。飲み友オダイールとビールを楽しめるぞっ!ジェントルマンなセルジオと会話を楽しめるぞ!(オダイールは時々何言ってるのか理解不能なので笑)

ある朝娘がロビーで一人で遊んでいて、「ママ、新しいお友達が出来たの!フランス語を喋れるよ」というから行ったら、なんと、オダイールの優しき有能な奥さん、ファーさんが遊んでくれてるじゃないですか(笑)セルジオもオダイールも、サンフランシスコとリヒテンシュタインでそれぞれ1回ずつお互いに演奏を聴いて会っただけなのに、全てを交換でき、ずっと会い続けているかのように全然距離がない、心温かい人たち。こういう人たちはブルガリアの例のペーター・ラルチェフさんと同じく音楽が全てで、音楽のみで結ばれる稀有なエネルギーの人たちだ。

Beautiful concert of Sergio & Odair Assad🎶

アサドデュオコンサート終演後、オダイールとセルジオに遊んでもらう娘。4枚連発!次回はセルジオの孫と遊ばせる予定。この二人が凄いのは、音楽が極めて個人的な体験から始まっていること、-ふたりは兄弟で、お父様からギターを習った。その二人が自然発生的に一緒に演奏し始めた、その時のフィーリングそのもので、60歳を過ぎた今のいままで続いているーそこには彼らの人生が滲んでいる。二つの個が、鏡のように個人的な想い出を映し合いながら演奏し、(セルジオの素晴らしい作品もあるが、クラシックの曲であろうとジスモンティであろうとピアゾラであろうと、極めて個人的な解釈) それは、ワザと個性的にしよう!としているという意味とは全く逆で、ブラジルのフィーリングという伝統、根っこに根ざしていて、それが個を通して広い宇宙に窓を開けている。稀有な才能を持つ個と個が伝統という根っこに繋がった時、誰にも真似できない壮大なオリジナリティになる。そこには何よりお互いへの愛と音楽に対する愛が四方八方に溢れている。それにオダイールのあの音、、、思い出しただけでも心がふるふるしてくる。この兄弟がこれだけ多くの人を揺さぶる理由がよく分かった。2つのフェスをハシゴすると、自分をこう見せよう、ああ見せようという次元の演奏や、このように演奏しなければ、という優等生的にシステムのニーズに答えようとする演奏、またテクニックやエンターテイメント先行で音楽を商品化し、おもちゃよろしく弄んでいる演奏も見てきた。そういうこの世のあれ何だっけ?108の鐘のやつ、、、あ、煩悩か。この世の平坦な価値観でしか音楽を見てない人たちと一線を画した美しい演奏は、心がすうっと広く宇宙の果てまで見渡せる感じがする。アサド兄弟以外では、ルーマニアで聴いたジュディカエルの演奏も、彼は孤独にたった一人で音楽に向かっているのだな、と思える演奏で素晴らしかった。天性の才能で、自己と音楽を懸命に同化させようとしている印象を受けた。こう言う演奏は一瞬一瞬が演奏家自身でも想像つかないというか、そういうリスクを孕んだものじゃなければ、わざわざ聴きにくる価値はない。

彼らが出発してしまうと、セルジオとオダイールのいないフェスなんて、、、という感じにぽっかりと心に穴が開くのでした。

Hersbruck from outside...Thank you Johannes for this great experience !ヘルスブルッフ外からの眺め

あーしかし素晴らしいフェスでした。オーガナイザーのヨハネスさん、これだけの大所帯がみんな快適にリラックスして過ごせる配慮、脱帽です!つくづくすごいよなぁ。堪能させていただきました。長い時を経てやっとパリに帰って来ました。次はフランス南西部アルカションの銀海岸(コート・ダジュールー紺碧海岸ーは知られてるのになぜこの素晴らしいコート・ダルジャンは知られてないのか?)を楽しんできます!

george Enesco street


 
 
 

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